雲母を「きらら」と読ませるのは、当て字ではありません。ちゃんと国語辞典に出ています。鉱物の雲母
(うんも)がキラキラ光ることから転じた古称ですが、語感がいいので一度覚えていただくとけっこう記憶に残る社名だと思います。後から知ったことですが、29歳の親鸞聖人が比叡山から京に下った道が「雲母坂(きららざか)」でした。
出版の主なジャンルは、介護、福祉、医療、心理、精神医療、保育、教育ですが、建築や歴史や音楽、また思想や仏教書もチラホラあります。特に、近年は介護関係の本が質量ともに堅実ですので、書店さんには雲母書房=介護本の出版社、というふうに認知されるまでになりました。ですから、これからは介護以外の分野の出版でも同様に認められるようになりたい。
というのも、こうして出版の軸にしてきたジャンルを眺めると、雲母書房がこだわってきたテーマは「生老病死」ということに集約されるからです。生まれ育つこと、老いること、病むこと、そして死ぬこと。仏陀が人間の「苦」の源と考えたこの4つのテーマは、21世紀を生きる私たちにとってもなおアクチュアルな問いであり、私たちの実存をめぐる根源的なドラマであり続けています。
人がその人生の中で例外なくぶつかる諸問題に添って、雲母書房の書籍がラインナップされている、それが私たちの夢です。子育てに悩んだとき、心の病で精神のバランスを崩したとき、老いて障害を抱えたとき、死に直面したとき、そんなとき頼りになり心の支えになるような本をこれからも出版していきたい。
一方で、子ども、病んだ人、老人は、社会の病理をもっとも鋭敏に映し出す鏡でもあります。ここに視点を据えてみると、この社会の酷薄さがよく見えてきます。そういう社会批判と社会変革というモチーフを欠落したら、おそらく出版活動を続けていく意味はない。私たちは、その志をこれからも貫いていきたいと考えています。
さあ、どんな本に出会えるか、ゆっくりページをのぞいて見てください。
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